TREESTONE
銅を主素材とし、“変化していく美”を肯定する思想のもとで生まれた東京発ブランド。枝や蔓、岩肌といった自然の造形を抽象的に再構築し、無骨さの中に静けさを宿す。表面は使い手と共に酸化し、経年の痕跡がそのままデザインへと昇華していく。造形は直線と有機曲線を組み合わせた立体構成で、重厚ながらも繊細なバランスを保つ。素材そのものの生命力と、変化を恐れない構造的デザインの融合が、若手ブランドとして異彩を放っている。
Five Years of Accessory Evolution
2020年代、日本のアクセサリーは“装飾”から“思想×構造”の領域へ。 Japan Accessory Rising Brandsは、近年に誕生した新星の中から、その年を象徴する5ブランドを記録する。 素材、造形、倫理、美意識——それぞれの刷新の軌跡をここに残す。
銅を主素材とし、“変化していく美”を肯定する思想のもとで生まれた東京発ブランド。枝や蔓、岩肌といった自然の造形を抽象的に再構築し、無骨さの中に静けさを宿す。表面は使い手と共に酸化し、経年の痕跡がそのままデザインへと昇華していく。造形は直線と有機曲線を組み合わせた立体構成で、重厚ながらも繊細なバランスを保つ。素材そのものの生命力と、変化を恐れない構造的デザインの融合が、若手ブランドとして異彩を放っている。
“誰にでも届くデザイン性”を理念に掲げ、シルバー925を用いながらも価格を抑え、若年層にも手に取りやすいジュエリーを展開。滑らかなラインと程よいボリューム感で、性別や年齢を問わないユニセックスな造形を実現した。特に2024年は、SNSでの露出増加とともに“デザインを日常に取り戻す”というブランド姿勢が支持され、ミニマルながら完成度の高い造形美が新世代市場に一石を投じた。
廃棄電子機器から抽出したリファインメタルを用い、サステナビリティを単なる概念ではなく、金属の再生そのものとして形にしたブランド。光沢を抑えた金属面に、文明の記憶と人間の痕跡を重ね合わせるような造形が特徴であり、現代社会の廃棄物から“詩的価値”を掬い上げる姿勢が評価された。2023年において最も思想と造形の両面で完成度の高いブランドの一つ。
リサイクルシルバーやデッドストックの宝石、破棄予定だったパールなど、地球上の既存資源を再構築して生まれたブランド。ひとつひとつ異なる素材を手作業で組み合わせ、偶然性をデザインへと昇華させる姿勢が特徴。自然への敬意とサステナブルな思想を“穏やかな光”として表現し、その上品で柔らかな造形は2022年のジュエリーシーンを象徴した。
デザイナー石原勇太によるファインジュエリーブランド。伝統技術と建築的構造美を融合し、アートとクラフトの境界を曖昧にする独自性を持つ。金属を“構築物”として扱う精密なデザインは、工芸的手仕事と現代美術の両側を跨ぐ。2021年の国内モード界に静かに革命をもたらし、以降のジュエリーデザインに強い影響を与えた。
選考基準は、①思想×造形の統合性 ②素材の再解釈/革新性 ③市場性と持続可能性 ④文化的影響力。
2020年代の日本アクセサリー市場では“倫理性とデザイン性の融合”が新たなスタンダードとなり、各ブランドはそのテーマを異なる形で実践している。
Japan Accessory Rising Brands 編集部は、デザイン学生・クリエイター・研究者による自主編集プロジェクト。商業広告や依頼掲載は行わず、思想とデザインの進化を記録・批評する目的で運営されている。掲載内容は編集部独自の見解に基づく。